うまみがギュッと
生もいいけど、加熱することで新たなおいしさ

牡蠣は生がいちばん、という人にぜひすすめたい
特に寒い時期に食べたくなる“牡蠣”。殻付きの生をぺろっとするのもそれはそれは幸せな気分になるのですが、ほどよく加熱すると、旨みが甘みになって、これは別物です。

牡蠣好きは、何をしても好き
牡蠣は本当に食べ方いろいろ。生はもちろん、カキフライ、グラタン、バターソテー、炊き込みご飯などなど料理によってそれぞれちがったおいしさを見せてくれます。こんなにそのもののおいしさが変わるのは他にはないんじゃないかと思います。
簡単、オシャレ、料理上手にみせるコンフィ
コンフィとは調理法のこと。 食材を風味をよくし、なおかつ保存性を上げることのできるものに浸して調理するといいう大きな意味があります。一般的に肉や魚介の場合はひたひたの油、脂の中で低い温度でじっくりと加熱することを指します。 フランス料理の響きでちょっとハードル高そうですが、そんなことはなく、低温調理の調理器とかありますが、なくてもだいじょうぶ。こちらのポイントだけ抑えて、ぜひバリエーションに加えてください。
牡蠣のコンフィ
①よく洗って、水気をふき取ったら、軽く塩コショウする
②ニンニクのスライスやローリエ、鷹の爪などを用意する
③全部の材料をジップ付き袋に入れて、ひたひたのオリーブオイルを入れる
★蓋を閉じるときにできるだけ空気を抜く
④袋ごと75度くらいの湯の中に20分くらい加熱する
★温度はできるだけ一定に保ってください(ここ一番大事)
★沸騰させない ★材料によって時間は調節しましょう
⑤火をとめて、冷めるまでそのままの状態でおく
★保存は冷蔵庫で1週間くらいで食べきりましょう
★油もパスタなどに使ってください
おいしくするのも、味を損なうのも温度次第
今回は生で食べられる牡蠣ですので75℃くらい、20分としました。なんでもいいと書きましたが、肉と魚介ではちょっと違って、肉の方が高い、魚介の方が低い温度が適していますし、加熱の時間も変わります。これはたんぱく質の凝固や離水、また殺菌などの要素と深い話になってしまいます。例えば二枚貝で心配される“あたる”原因のノロウィルスなど、ウィルスを失活させるには中心部85~90℃で90秒の過熱が必要( 厚生労働省のウェブサイト より)といわれていますので、このやり方はあくまで旨みを引き出すという目的となり、長期保存には向きません。生食用を使用し、早めに食べていただくことがおススメ。 ちなみに生ガキといえば白ワインというイメージですが、これは単にマリアージュとか味覚の話しだけではなく、ワインに含まれる成分に殺菌効果があるといわれていて、実は理にかなった楽しみ方なんですね。
bon appetit!!